2019年09月19日

凡事徹底

目標は高すぎるとダメ。

ずっとあきらめない。

積み重ね。

オリックス時代、
イチロー選手の専属打撃投手だった私は、
寮生活で寝食を共にし
彼から多くのことを教わった。
彼と初めて出会ったのは、
私が20歳、彼が19歳の時だった。
初めてそのバッティングを見た時、
年下にこんなに凄い選手がいるのかと舌を巻いた。
更に、彼の取る行動や言葉のすべては、
他の選手とは一線を画すものだった。

◇継続する力・・・
1日なら誰でもできることを
徹底して毎日やり続ける!

ある時、イチロー選手に
こんな質問をしたことがあった。
「今までに、これだけはやったな、
 と言える練習はある?」 
彼の答えはこうだった。
「僕は高校生活の3年間、
 1日にたった10分ですが、
 寝る前に必ず素振りをしました。
 その10分の素振りを1年365日、
 3年間続けました。
 これが誰よりもやった練習です。」
 
プロに入り、
2軍でプレーしていたイチロー選手は、
キャンプ期間中、
夕方に練習を終えると早々に眠りに就いた。
そして皆が寝静まる深夜にこっそり部屋を出ると、
室内練習場で数時間の特打ちをするのを
日課としていた。
私は現在、少年野球チームの監督を務めているが、
それと比べてみても、彼の素質が
いかに優れて特異なものであるかがよく分かる。
例えば野球の上手な子にアドバイスをすると
何をやってもすぐできるようになる。
下手な子はなかなか思うようにいかない。
ところが、できるようになったうまい子が、
いつの間にかその練習をやめてしまうのに対し、
下手な子は粘り強くそれを続け、
いつかはできるようになる。
そして継続することの大切さを知っている彼らは、
できるようになった後もなお練習を続けるため、
結局は前者よりも力をつけることが多い。

その点、イチロー選手は
卓越したセンスを持ちながらも、
野球の下手な子と同じようなメンタリティを持ち、
ひたすら継続を重ねている。
継続する力、つまりルーティン(毎日やること)を
本当に大切にしている。
これこそが彼の最大の力になっている源だろう。

 ◎イチロー選手の名言
「小さなことの積み重ねが、
 とんでもない所へいく道だった!」
 
◇頑張れば何とか手が届くところに目標を設定する!
「奥村さん。【目標】って高くし過ぎると
 絶対にダメなんですよね。
 必死に頑張っても、その目標に届かなければ
 どうなりますか?
 あきらめたり、挫折感を味わうでしょう。
 それは、目標の設定ミスです。
 頑張れば何とか手が届くところに
 目標を設定すれば、
 ずっとあきらめないでいられる。
 そういう設定の仕方が
 一番大事だと僕は思います。」
 
2軍時代のイチロー選手は、
マシン相手に数時間の打撃練習をしていたが、
普通の選手に同じことをやれと言っても、
それだけの時間、
集中してスイングすることはできない。
それがなぜ彼には可能なのかといえば、
私はこの「目標設定の仕方」に
あるのではないかという気がする。
イチロー選手には自分にとっての明確な目標があり、
その日にクリアしなければならない課題がある。
その手応えをしっかりと自分で掴むまで、
時間には関係なく
やり続けるという練習スタイルなのだ。

2000年に
当時9名の部員で結成した私の少年野球チームは
現在百名を越える数になり、
その中から多くの甲子園球児が生まれていった。
現在、プロで活躍している田中将大投手も
その1人である。
彼らには自分がイチロー選手から学んだことを
折に触れては話し、野球に取り組む姿勢として
それを生かしてほしいと伝えてきた。
自分で目標を持ち、
それに向けて継続を怠らなければ、
必ず次の段階へと自分を押し上げていくことができる。
そして、
それは人生を生き抜く力にもつながっていることを、
野球を通して伝えていければと考えている。



『イチロー選手の凡事徹底』
奥村幸治(宝塚ボーイズ監督)さんのお話より


maruhashikouta at 22:12│Comments(0) 指導 

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